韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(2)

(1)からの続き
 バス停の案内板を見ると、事前に調べた通り1日12往復のバスのダイヤが記されています。いちおう「TRAM」を名乗っていますから、バスではなく「BRT列車」と呼んだ方がいいでしょうか。私は8時30分発のBRT列車に乗ってオソン駅で折り返し、どこかの途中駅で下りて走行写真を撮るつもりでした。
 ところが、案内板の後ろには特別の案内らしき張り紙が貼られています。ハングルはいまいち分かりませんが、「24、25」は12月24・25日のことではないのか。しかも、張り紙の下にはBRT列車の発車時刻らしき数字が並んでおり、所定のダイヤに比べて少なくなっています。これは減便ダイヤの案内ではないでしょうか。
 キリスト教徒の多い韓国では、クリスマスの25日を祝日と定めています。25日はもちろんのこと、イブの24日に減便ダイヤが組まれていても、不思議ではありません。
 近くにいた中年男性に片言の英語で尋ねてみたところ、やはり24・25日は減便ダイヤで、次のBRT列車は8時30分発ではなく、1時間後の9時30分とのことでした。
 男性は「セジョンに行くのですか?(といっていたような気がする)」などと、私に尋ねてきます。他の交通機関があるよと言いたいのでしょう。しかし、私はBRT列車に乗るのが目的ですから、他の交通機関では困ります。「私は乗り物マニアで、BRTに乗るのが目的だ」などと必死に説明したのですが、中年男性はいぶかしげな表情をするだけです。私の超適当英語が理解できないのか、それとも「目的」が理解できないのか。乗り物に乗ること自体が目的の旅行をしていると、時々このような状況に遭遇します。
 結局、「ノープロブレムだ」と言って逃げるようにしてバス停を離れ、パンソクの市街地をウロウロして時間をつぶす羽目になりました。

 30分ほどしてからバス停に戻ると、反対側の車線に連節バスが止まっています。どうやらオソン駅からやってきたBRT列車のようです。これが折り返してオソン駅行きになるのでしょう。
 反対車線のBRT列車は、しばらくしてテジョンの都心部方向へと走り去りましたが、定刻9時30分、私がいるバス停側の車線に戻ってきました。独特なブラックフェイスで、車幅がやや狭い感じです。BRT列車は10人ほどのお客を乗せ、すぐに発車しました。

 車内は外側から見たほどには狭苦しさがなく、1+2人がけのクロスシートが基本。後方の車体にはロングシートの姿も見えます。
 運転台の脇には起動した状態のノートパソコンが置かれており、連節部付近で立っている女性は荷台に紙を置いて、何やら書いています。BRT運行当局の職員なのでしょうか? 試験運行ということで、さまざまなデータ採取を行っているのでしょう。

 扉の脇にはICカード乗車券の読み取り装置も設置されています。もっとも現時点では無料運行ですから、カードをかざす人の姿は見られませんでした。
 所定ダイヤとおぼしき時刻表は車内にも貼られていました。しかし、パンソク駅の時刻表と異なり1日11往復で、早朝と深夜は途中駅の発着になっています。

 パンソク駅を発車したBRT列車は、片側4車線の高速道路のような大通りを飛ばします。
 しかし、中央に設けられたバス専用車線(写真左端の青線で区切られた車線)ではなく、なぜか右端の一般車線を走行。そのうち、専用車線どころか大通りを外れて片側1車線の田舎道に入り、一般の路線バスが集結している車庫に入ってしまいました。あれれ?(続く

【目次】韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(1)
【目次】韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(2)
【目次】韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(3)
【目次】韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(4)
【目次】韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(5)