韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(4)


(3)からの続き
 BRT列車は大きな橋のど真ん中を、ゆっくりと進んでいきます。左手には真新しい高層ビルが林立しているものの、右手はのどかな田園地帯。いかにも開発が始まったばかりの新興都市といった風情で、千葉ニュータウンにちょっと似てますか。

 橋を抜けるとBRT駅の姿が見えてきました。ホームの配置はソウルのBRTや名古屋の基幹バス新出来町線などと同じ千鳥式で、その先は地下に潜って一般車線との交差を極力減らすようにしているのが分かります。
 磁気マーカーが設置されているはずの部分は、なぜか人工芝らしきもので覆われていました。

 橋の先にあったBRT駅に停車。駅名は「첫마을(Cheotmaeul)」と記されています。「チョッマウル」? それとも「チョンマウル」? 「第一地区」駅とでも訳せばいいのでしょうか?
 お客が数人ほど下りて、扉が閉まってすぐに発車……かと思いきや、後方にいたBRT運行関係者らしき女性が怒鳴り出し、扉が再び開きました。
 今度は何のトラブルなのか? 運転手も外に出て携帯電話を耳にあてて、どこかと連絡を取っています。先ほど怒鳴った女性に「トラブル?」と話しかけると、女性は大きくうなずいて「チャンバー」がどうの、「タイヤ」がこうのと語りかけてきます。見た目はとくに問題なさそうで、エンジン音からも異常は感じられませんが。

 おかげで「チョンマウル」駅の設備を見る余裕ができました。ホームにはBRT列車の扉位置に合わせたホームドアというか、遮断機が設けられています。ホームドアのあるBRTは北京などに例がありますが、こちらは磁気誘導の車両案内装置を生かして定位置に停止させ、BRT列車の発着に連動して自動的に動作するようになっているのでしょう。
 ホームの屋根からは液晶ディスプレイがぶら下がっていて、全区間の時刻表が表示されていました。パンソク駅の時刻表は12往復、車内掲示の時刻表は11往復でしたが、こちらはパンソク駅→「チョンマウル」間が10本、「チョンマウル」→オソン駅間が22本となっています。一体、どれが所定のダイヤなのでしょう?

 5分ほど経過してもBRT列車が動き出す気配はなく、一部のお客は「チョンマウル」駅を出て、近くに止まっていたタクシーに乗り込んでいます。どうやら運転打ち切りの気配です。もはや走行写真の撮影どころではありません。
 私もタクシーに乗ってオソン駅に向かおうかと考え始めたとき、パンソク駅の方向から乗用車が数台、専用車線を走ってきてBRT列車の前で停止し、BRT関係者が「オソン駅ですよね? これに乗ってください(と言っていたような気がする)」と話しかけてきました。どうやら代行輸送を行ってくれるようです。(続く

【目次】韓国・世宗でBRTの「亜種」に乗ってみた(1)
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